天然乾燥からの中低温乾燥について
木材に黒い斑点を確認した時。木材に黒カビ?と不安になると思います。木材、特に防腐処理なども行わない無垢材は、保管中に写真のようなカビの一種が現れることがあります。
これは材を保管中に出来たモノと推測されますが、心配いりません。木材は、一旦乾燥することでカビが腐朽菌に進行しないからです。例えば建築資材で最初から防カビ処理をしたものでも、施工後にお施主様側が心配になる跡が見つかる場合もあります。その場合にも、『木がしっかり乾燥しているので心配いりません』とお伝えいたします。実際にお客様に乾燥の様子をご覧頂くこともあります。
それでもどうしても見かけが気になる場合は、サンドペーパーで色が消えるまで削り取る方法が良いと思いますが、人体になんら影響はないため、通常はそのままをおすすめしております。
沖倉製材所では高温乾燥を行わず、まずは天然乾燥でできるだけ木の持つ性質を残したまま木材にしていく製材に取り組んでいるため、木が完全にベストな乾燥状態になるまではできる限り自然のままに呼吸をさせています。
その期間に生きている木に、生きているカビの胞子が表面に生えて、木材内部にも入り込み跡がつきます。しかし、乾燥したあともそのたどり道は消えません。ペーパーで削っても菌糸跡までは完全には取り除けません。
(左が天然乾燥+中低温乾燥、右が高温乾燥による違い)
高温乾燥は一気に機械により木材のもつ性質を蒸発させ、パサパサにしてしまうのでカビも虫もつきません。無垢材ならではの自然との共存とご理解くださるとありがたいと思います。
沖倉製材所はお客様の何故?どうして?どうしたら?に誠意を持ってしっかりと真実をお答えしています。